【京都山科】今日は、いつも新しい。高橋みどり「おいしい時間」のおはなし|イベントレポート

 「器があって料理があって、そのふたつがあって流れるおいしい時間があります。わたしがずっと思っているのは“食を楽しみたい”ということです」
 穏やかなほほ笑みをたたえたみどりさんの、深くやさしい声で紡がれる言葉から始まった『おいしい時間』のお話。
 今日は12月7日にOpen MUJIにて開催した、スタイリスト・高橋みどりさんのトークイベントの様子をお届けします。

 

 みどりさんは東京にあるお住まいと、栃木県にある自然豊かな黒磯との2拠点でくらしを送っています。

 黒磯で12年前に出会った木造平屋。最初はなにもない倉庫みたいだった建物を、ご夫婦ですこしずつ好きなものを集めながら改修し、現在は週に2日だけ開く雑貨店「タミゼクロイソ」として、器やくらしの道具、心地の良い空間をたくさんの人に届けています。
 トークイベントでは、それぞれの場所に流れる朝の時間、昼の時間、夜の時間のお話を伺いました。
 カメラマンの近藤篤さんによる写真からはみどりさんがすごした時間のにおいや湿度が伝わってくるようで、心地良い空気のなかで同じ時間を共有しました。

 「黒磯でも自宅でも、朝はかならずたっぷりのお湯を沸かすところからはじまります。おいしく淹れたお茶をたっぷり飲んで、朝ごはんを食べて、そうじを軽くして。夫を送り出したら、そこからは自分の時間です。お茶を淹れる時間が大好き。ほかのことを考えなくて、お茶をおいしく淹れることで頭がいっぱいになって」

 日々のひとつひとつを愛おしむように話すみどりさんの言葉を聞きながら、みなさん染み入るように頷いていました。朝の時間を大事にすることは、自分のくらしそのものを愛するということなのかもしれません。
 「気持ち良く毎日を過ごすために生きてます」と笑って話すみどりさん。その言葉に、心のどこか固まった部分がほぐれていくような感じがしました。

 器の一枚一枚も、写真を見ながら“この人のこの器”というようにていねいにお話してくれました。たったひとつオーダーメイドの角皿。素材をのせてオーブンで焼くだけで格段においしくなる耐熱皿。白くて細長いオーバル皿。
 「器も、髪型やお洋服のように自分に合ったものがあります。色合わせや好みで一枚ずつえらぶのが楽しいんです。お皿は使い方もひとつじゃなくて、例えばちぐはぐでも乗せた和菓子が大きくて窮屈そうでも、くすっと笑えて楽しそうだったらそれが生活だと思うし」

 無理に器をセットで買う必要はないんですよ、なぜなら楽しいから。
 トークのあいだじゅう、「楽しむ」という言葉がみどりさんからたくさん届きました。

 

 イベント前に、みどりさんにMUJI BOOKSの「今日のずっといい言葉」を書いていただきました。

 「若くしてこの世を去った、わたしの大好きなライターの鈴木るみこさんが、わたしをこう表現してくれたんです。『みどりさん、“今日は、いつも新しい”って感じがするね。』って。ずっと、大切なことばです」

 人生は思うようにうまくいかないときもあるけれど、それでも生活は続いていくから、毎朝同じようにお湯を沸かす。そんなときに、いままでの自分が積み重ねてきたものが自分を救ってくれたりする。今日は、いつも新しい。
 なんと愛しい日々なのだろう、と思いました。そんなふうに歳を重ねていけたら。流れる日常のなかでひととき希望に満ちた、穏やかな『おいしい時間』のお話でした。

 京都山科のOpen MUJIではこれからも、「食」のテーマを中心としたトークショーやイベントを開催する予定です。ここでの出会いが、みなさんのくらしが感じ良いものになる、なにかひとつのきっかけになればうれしく思います。
 イベントのご予約や最新情報は、このMUJI passportアプリで随時更新中ですので、どうぞご覧くださいね。

 

トーク登壇:高橋みどりさん(スタイリスト)、村上妃佐子さん(アノニマ・スタジオ編集者)

『おいしい時間』(アノニマ・スタジオ)はMUJIBOOKSにてお取り扱い中です。


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